Q1:数分でろれつが元に戻り、本人がケロッとしていますが、病院へ行く必要はありますか?
A1:絶対に放置せず、当日中に脳神経外科を受診してください。それは一過性脳虚血発作(TIA)の典型的な症状であり、詰まりかけた血栓が偶然流れたに過ぎません。48時間以内に本格的な重症脳梗塞を発症する確率が極めて高いため、症状が消失した直後こそが、最悪の事態を未然に防ぐ最大の治療チャンスです。
Q2:夜間や休日に呂律が回らないことに気づいた場合、翌朝まで様子を見ても大丈夫ですか?
A2:朝まで待ってはいけません。夜間・休日であっても直ちに救急要請(119番)または夜間救急外来を受診してください。脳梗塞の特効薬であるt-PA治療は発症後4.5時間以内しか使えません。一晩寝かせてしまうと、翌朝には脳の細胞が不可逆的な壊死を起こし、重度の麻痺や言語障害が一生残るリスクが決定的になります。
Q3:呂律が回らない症状以外に、見落としやすい脳梗塞の微小なサインはありますか?
A3:「茶碗や箸をポロポロ落とす」「片方の口からお茶がこぼれる」「まっすぐ歩けず片側に傾く」「視野の半分が見えにくくなる」などが代表例です。本人が「年のせいで手元が狂った」と言い訳することが多いため、日常動作の小さな不自然さに周囲が目を配る必要があります。
Q4:認知症による言葉のもつれと、脳卒中による構音障害はどう見分ければよいですか?
A4:「発症のスピード」と「運動機能の麻痺の有無」が決定的な違いです。認知症は数ヶ月から年単位で緩慢に進行し、言葉の意味が理解できない、物の名前が出ない(あれ、それの多用)といった認知面の変化が主体です。一方、脳卒中による構音障害は「突然、舌がもつれて発音できなくなる」という明確な開始時点があり、口角の歪みや半身の脱力を伴う点が大きく異なります。