パソコンやスマートフォンの操作が日常化した現代の生活では、無意識のうちに肩が前に入る「巻き肩(内旋位)」になりがちです。肩関節が内旋した状態が長時間続くと、外旋筋である小円筋は常に引き伸ばされ、過度な緊張状態を強いられます。これこそが小円筋の痛み原因の筆頭です。
筋肉が持続的に緊張すると、血流不全からトリガーポイント(痛みの引き金となる硬結)が形成されます。小円筋にトリガーポイントが生じると、肩の後面だけでなく、三角筋の後部や上腕の外側、さらには腕の奥深くにまで響くような鈍痛(関連痛)を飛ばす特徴があります。
さらに深刻なケースとして注意したいのが「四辺形間隙症候群(QLS:Quadrilateral Space Syndrome)」です。
肩の後面には、小円筋、大円筋、上腕三頭筋長頭、上腕骨の4つに囲まれた小さな隙間(四辺形間隙)が存在します。この隙間をくぐり抜けているのが、小円筋を支配する腋窩神経と後上腕回旋動脈です。小円筋の過緊張や炎症によってこの間隙が狭まると、神経と血管が締め付けられ、肩後方の強い痛みや腕の外側のしびれ、腕が上がりにくくなるといった重い症状を引き起こします。