かつてプロ野球ファンの間では、「侍ジャパンの監督は勝って当たり前、負ければ全人格を否定される『罰ゲーム』のようなポスト」と揶揄される時期がありました。これには、当時の球界の構造的な問題が関係しています。
第1回・第2回WBCの当時は、NPBの現役監督が自球団の春季キャンプを離れて代表チームを率いるという極めて重い負担を強いられていました。自球団のシーズン成績に悪影響が出かねないため、各球団のオーナーや親会社が監督の派遣に難色を示したのも無理はありません。そのため、候補に挙がった大物OBが次々と就任を固辞する事態が頻発したのです。
しかし、この弊害を解消するために立ち上げられたのが「侍ジャパン事業化」と「専任監督制」でした。2013年の小久保監督以降、常設の組織としてアンダー世代からトップチームまでを一貫した理念でマネジメントする体制が構築され、専任の監督が年間を通じて視察やチームビルディングを行える環境が整備されました。現在では「罰ゲーム」という見方は完全に過去のものとなり、日本野球界の最高峰の名誉として位置づけられています。