ネット上の掲示板やSNSでは、「香典はすべて薄墨で書くべき」「四十九日後も薄墨でよいのか」といった筆記用具に関する誤解が散見されます。
薄墨と濃墨の使い分けルール
お通夜や葬儀・告別式、初七日法要までは「薄墨(うすずみ)」の筆や筆ペンで書くのが鉄則です。これには「突然の訃報に驚き、流した涙で墨が薄まってしまった」「急いで駆けつけたため、十分に墨を磨る時間がなかった」という、深い哀悼と悲しみを表現する文化的意味が込められています。
しかし、四十九日法要や一周忌、三回忌などの年忌法要は、あらかじめ日時が決まっている儀式です。「突然の悲報」ではないため、通常の濃い黒墨で丁寧に書くのが正しい作法です。法要の案内状を受け取って参列する際に薄墨を使うと、「準備していなかった」という不自然なメッセージになりかねないため注意しましょう。
中袋の金額は大字(旧字体)で書くのが正式
香典袋の中袋(中包み)の表面には、包んだ金額を改ざん防止のために漢数字の旧字体である「大字(だいじ)」で記載します。
- 5,000円:金 伍阡圓(または 金 伍千円)
- 10,000円:金 壱萬圓(または 金 壱万円)
- 30,000円:金 参萬圓(または 金 参万円)
- 50,000円:金 伍萬圓(または 金 伍万円)
- 100,000円:金 拾萬圓(または 金 壱拾萬圓)
中袋の裏面には、遺族が後から香典返しや礼状を整理する負担を減らすため、自身の郵便番号、住所、氏名を左下に濃墨の読みやすい楷書で明記します。