タンク表面のクリア塗装は想像以上に繊細だ。街乗り程度のスピードであっても、風を受けて激しく揺れるキーホルダーは、硬い打撃パーツへと変貌する。塗装面へのダメージを防ぐ第一歩は、衝撃を柔軟に逃がす柔らかい素材を選ぶことにある。シリコンやリアルレザー、軽量なファブリック生地といったマテリアルが好まれる理由はそこにある。金属製のカラビナや重量感のある金属プレートは、どれほどデザインが優れていてもバイク用としては傷の原因になりやすい。
しかし、素材さえ柔らかければ万全かというと、そこには「意外な落とし穴」が潜んでいる。例えば、キーホルダー本体が本革製であっても、鍵を固定するDカンやリングなどの金属パーツが裸のままであれば、走行中の振動で金属部分が直接タンクに叩きつけられてしまう。さらに盲点となるのが、日常的な粉じんの付着だ。シリコンやフェルト素材は静電気を帯びやすく、道路上の微細な砂粒を吸着しやすい。その状態で走行の振動が加わると、柔らかいはずの素材がサンドペーパーのように塗装面を研磨してしまうのだ。定期的な水洗いや清掃を行わない限り、傷防止素材であっても傷の原因になり得る点は知っておくべき実情だ。