行政区の分断を越えてエリア全体を1つの都市機能として統括しているのが、東京都が推進する「東京臨海副都心」構想だ。都市地理学の視点から見ると、お台場は極めて高度に計画された特異なウォーターフロント開発の実験場といえる。
1990年代初頭の都市博覧会中止という大きな挫折を経験しながらも、この地区は観光業を軸にしたエンターテインメント拠点として見事な再生を遂げた。港区のエキゾチックな海岸景観、江東区の最先端MICE・商業集積、品川区の緑豊かな海洋公園機能。それぞれ異なる顔を持つ3区のエリアが、広域的な都市基盤整備によって緩やかに統合されている。
近年では老朽化した初期施設の再整備や、次世代スマートシティに向けた実証実験が活発化している。区境の壁を感じさせないシームレスな歩行者デッキネットワークや自動運転バスの導入など、都市としての機能更新は今も歩みを止めていない。