コンロ設置を巡る最大の落とし穴は、コンロの構造によって適用される法律が全く異なる点です。知らずに作業を終えていたとしても、法律違反に問われるケースがあります。
コンロ台の上に本体を設置し、ゴムホース等でガス栓とつなぐ「据え置き型ガステーブル」は、正しい接続部材を用いれば一般のユーザーが自力で設置作業を行っても法的な問題はありません。取り扱い説明書に従い、適切なホース長とバンド固定を行えば、資格を持たない個人による交換が認められています。
一方、システムキッチンのワークトップに埋め込まれている「ビルトインコンロ」の場合、状況は一変します。ビルトインコンロの配管接続には、金属製のフレキシブル管(可とう管)や強化ガスホースなどが使われており、これらを接続・脱着する作業には法令で定められた専門資格が求められます。無資格者がこれを行うと、ガスコンロDIYの違法性としてガス事業法や「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(液石法)」に直接抵触します。
具体的にビルトインコンロの交換に必要な資格としては、都市ガスエリアでは「ガス可とう管接続工事監督者」や「簡易内管施工士」、プロパンガス(LPガス)エリアでは国家資格である「液化石油ガス設備士」などが挙げられます。近年では、業界団体が認定する民間厨房設備資格の最高峰であるガス機器設置スペシャリスト(GSS)などの登録事業者が施工を担うケースが標準的です。埋め込み型コンロの自力交換を指南するネット動画などを鵜呑みにして着手することは、法的リスクと生命の危機を同時に招く行為に他なりません。