ネット上のレシピ情報や口コミには、一見正しそうに見えて実は肉を不味くしてしまう誤解が多く紛れ込んでいます。代表的な3つの誤解を整理します。
誤解1:「どんな肉でも煮込めば煮込むほど柔らかくなる」という思い込み
コラーゲンを多く含む「すね肉」や「すじ肉」は煮込むほど柔らかくなりますが、脂身の少ない「豚もも肉」や「鶏むね肉」「牛もも赤身肉」は、煮込めば煮込むほど筋繊維から水分が抜けてパサパサの木材のような食感になります。赤身中心の肉は長時間の煮込みを避け、短時間でさっと火を通すのが正解です。
誤解2:「カレールーを入れてから肉を弱火でコトコト煮込む」という手順
カレールーを入れた後のとろみがついた状態で長時間加熱すると、鍋底が焦げ付きやすくなるだけでなく、ルーの塩分が肉の水分を外に吸い出してしまい、肉が縮んで固くなります。肉を柔らかく煮込む工程はルーを入れる前の「出汁・スープの状態」で完結させ、ルーを入れた後は弱火で5〜10分程度なじませるだけにするのがプロの共通認識です。
誤解3:「高級な霜降り和牛を使えば最高に美味しくなる」という過信
A5ランクなどの霜降り和牛ステーキ肉を角切りにしてカレーに入れると、脂の融点が低すぎるため、煮込んでいる最中に良質な脂がすべてルーに溶け出してしまいます。結果としてルーがギトギトになり、肉自体は脂が抜けてスカスカになるという逆効果を招きます。カレーに最適なのは、霜降り肉よりも赤身の旨味と適度なスジ・ゼラチン質を持った部位です。