インターネット上の掲示板やSNSでは、根拠の薄い給餌方法が拡散されがちです。特に注意すべき3つの誤解を是正します。
第1の誤解は、「計量カップの目盛りで測れば十分」という思い込みです。小粒の子猫用フードは、カップへの詰め方や湿度によって1回あたり3〜5gの誤差が生じます。体重1kg前後の子猫にとって、5gのズレは成猫で言えばおにぎり1個分に相当する大きな負荷です。目盛りに頼るのではなく、0.1g単位で計測できるデジタルスケールの使用が必須条件となります。
第2の盲点は、子猫キャットフードふやかし方における温度管理です。「熱湯でしっかりふやかす」という誤った情報が散見されますが、60℃以上の熱湯を注ぐと、成長に不可欠なビタミンB群やタウリンなどの熱に弱い必須栄養素が熱変性によって破壊されてしまいます。正しくは「38〜40℃程度のぬるま湯(人肌程度)」を用い、ラップをして10〜15分ほど芯まで浸透させるのが鉄則です。また、離乳食からドライフード切り替え時期は生後6〜8週頃が標準ですが、急激に変えると腸内細菌叢が乱れて激しい下痢を起こすため、ふやかす水分量を1〜2週間かけて徐々に減らすグラデーション移行が不可欠です。
第3の盲点は、「ドライフード単体給餌の偏重」です。ドライフードは栄養密度が高い反面、水分含有量は10%未満です。猫は本来、獲物から水分を摂取する動物であるため、自発的な飲水量が不足しがちになります。幼少期から子猫ドライフードウェットフード割合を考慮し、カロリーベースで「ドライ7:ウェット3」などの混合給餌を取り入れることで、将来の慢性腎臓病や下部尿路疾患(FLUTD)の予防基盤を整えることができます。