ネット上の情報や一般的な園芸常識を鵜呑みにしてしまい、胡蝶蘭をかえって早死にさせてしまう典型的な誤解がいくつか存在します。
誤解①:「元気がなくなったら活力剤・肥料アンプルを挿せば復活する」
これは最も危険な行為です。人間で例えるなら、胃腸炎で倒れている人に脂っこいステーキを食べさせるようなものです。根腐れを起こして弱っている株に肥料や栄養剤を与えると、肥料焼け(浸透圧により根から水分が奪われる現象)を起こし、トドメを刺すことになります。肥料を与えるのは「気温が20℃以上あり、新芽や新しい根が旺盛に伸びている元気な成長期(5月〜9月)」に限られます。
誤解②:「葉水(スプレー)は葉の付け根に向けてたっぷり吹きかけるべき」
空気中の湿度を高める葉水は胡蝶蘭にとって非常に効果的ですが、吹きかけ方に注意が必要です。葉と葉の重なり合う中心部(クラウン)に水が溜まったまま放置されると、細菌が繁殖して中心から株全体がドロドロに腐る「軟腐病(なんぷびょう)」を引き起こします。霧吹きは葉の裏側を中心に軽く湿らせる程度にするか、中心部に水が溜まった場合はティッシュで吸い取ってください。
誤解③:「大きな鉢に植え替えた方が根が伸びて大きく育つ」
植物は鉢が大きいほど育つと思われがちですが、胡蝶蘭にとっては逆効果です。株に対して鉢が大きすぎると、植え込み材の水分がいつまでも乾かず、長期間過湿状態が続いて根腐れを引き起こします。植え替えの際は、「根がぎりぎり収まるコンパクトな鉢」を選ぶのが健全に育てる秘訣です。