厚生労働省や民間リサーチ機関が今春発表した最新動向を見ても、労働市場の二極化はより鮮明だ。業務の自動化率が高まった企業ほど、中堅社員に対する「本質的なディレクション力」の要求水準が跳ね上がっている。
「指示通りに動く優秀さ」の価値は暴落した。代わりに求められているのは、曖昧な課題から問いを立て、異なる専門性を持つチームを動かす泥臭い人間力だ。結果として、省力化が進んだはずの現場で、かえって「頭脳労働の負荷」が高まっていると訴える声は少なくない。自動化によって浮いた時間は、ゆとりではなく、より高次で答えのない問いへと注ぎ込まれている。