熱心なトラ番記者や球場に通い詰めるファンの間でしばしば指摘されるのが、甲子園現地ファンの声とネット掲示板の言説空間における顕著な「温度差」です。
現地スタンドでは、たとえ凡退や守備のミスがあったとしても、次打席に向かう選手への温かい拍手や、声を振り絞る応援歌による一体感が支配的です。甲子園のライトスタンドやアルプススタンドでは、グラウンド上の緊張感や選手の懸命な姿勢を肌で感じ取れるため、感情的な野次は一部にとどまり、チームを後押しするポジティブなエネルギーが保たれます。
一方、匿名掲示板やまとめサイトのコメント欄では、テキスト情報のみが切り取られる構造上、ミスに対する過激なバッシングや悲観論が増幅されやすい傾向があります。テレビ中継の画面越しでは見えない投手の投球間の仕草や、ベンチ内の声掛けといった「非言語的なコンテクスト」が脱落するため、結果論に基づいた厳しい批判が先行してしまうのです。ネットの意見をファン全体の総意と受け取ると、チームの空気感を読み誤るリスクがある点には注意が必要です。