日本のアニメ作品においても、闇への転落は作品の評価を決定づける重厚なテーマとなっている。とりわけ世界的な現象となった『進撃の巨人』は、従来のダーク・ファンタジーにおける主人公像を劇的に再定義した。壁の外にある自由を求めた少年エレン・イェーガーが、過酷な世界の真実に直面し、やがて全人類を脅かす存在へと変貌していく展開は、世界中のファンに計り知れない衝撃を与えた。
アニメーション制作を手掛けた株式会社MAPPAによる圧倒的な映像表現と緊迫した演出は、エレンの内に潜む狂気と悲哀を極限まで引き立てた。かつての犠牲者が加害者へと反転し、複雑な倫理的問いを投げかけるアンチヒーローへと進化を遂げたその姿は、ストーリーテリングの新たなる到達点として高く評価されている。