東京の高校野球を語る上で欠かせないのが、東東京と西東京というふたつの異なる文化圏だ。日本高等学校野球連盟が管轄する地区予選の中でも、この二分されたエリアはそれぞれ独自の進化を遂げてきた。
西東京は、早稲田実業や国士舘、東海大菅生といった全国レベルの強豪がひしめく大混戦エリアだ。都心部から多摩地域にかけて広がる広大なエリアから逸材が集まり、フィジカルの強さと一発長打のスケール感が前面に出る試合が多い。
対する東東京は、帝京を筆頭に二松學舍大付や関東第一、関東圏のライバルたちがしのぎを削る。都心の狭いグラウンド環境を逆手に取った、緻密な守備走塁とマウンド上の駆け引きが光る。洗練されたスモールベースボールの美学がここにある。