楽曲の完成度を語る上で欠かせないのが、歌謡界の巨人・筒美京平氏による綿密なトラックメイクです。BPM(テンポ)は約138前後に設定され、疾走感あふれるブラスセクションと、当時最新鋭だったシンセサイザーのシーケンスが見事に融合しています。哀愁を帯びたマイナーコードのヴァース(Aメロ・Bメロ)から、サビに入った瞬間にメジャー感を帯びた爆発的なフックへと展開するコントラストは、聴く者の感情を一気に最高潮へと引き上げます。
歌詞の意味を深掘りすると、売野雅勇氏の卓越したメタファー(比喩表現)が随所に光ります。「出会いは億千万の胸騒ぎ」「エキゾチック・ジャパン」といった刺激的なワードは、旅先での刹那的な恋情を描きつつ、バブル経済前夜における日本の高揚感や、日常から非日常へと飛び出す旅立ちの衝動を鮮烈に描き出しています。記号的なキャッチフレーズでありながら、今聴いても古びない詩的な強度が宿っています。