五所川原市の観光における最大のシンボルといえば、夏祭りで街を練り歩く巨大な山車です。市中心部にそびえる「立佞武多の館」には、ビル7階分に相当する高さ約23メートル、重量約19トンもの立佞武多が常設展示されています。吹き抜けの回廊を降りながら鑑賞する構造は迫力満点で、祭りの運行時だけでなく通年でその圧倒的なスケールを体感できます。館内スタッフへの聞き取りでも「初めて目にした来訪者の大半が、写真や映像を遥かに超える威圧感と色彩美に息を呑む」と語られており、津軽の職人技の極致を示す展示施設として高い評価を集めています。
文学ファンにとって外せないのが、金木地区にある太宰治記念館「斜陽館」です。太宰の父・津島源右衛門が建てたこの豪邸は、豪壮な赤レンガの塀と青森ヒバをふんだんに使った入母屋造りの名建築であり、国指定重要文化財にも指定されています。太宰自身が生前の手記や自著で「この父はひどく大きい家を建てた。風情も何もないただ大きいのである」と自嘲気味に振り返った生家は、今や太宰文学の原点を肌で感じる聖地として国内外から熱心な読者を惹きつけています。
冬の津軽観光を象徴するのが、津軽五所川原駅から津軽中里駅までを結ぶ「津軽鉄道のストーブ列車」です。客車内に設置された昔ながらのだるまストーブで石炭が赤々と燃え、車掌やアテンダントが網の上でスルメを焼き上げる香ばしい匂いが車内に漂います。車窓に広がる地吹雪の荒涼とした雪景色と、ストーブを囲む乗客同士の温かな会話のコントラストは、一度は体験すべき津軽ならではの冬の風物詩です。