この都市伝説がリアリティを帯びた背景には、1986年に公開されたカルト的人気を誇る映画『クロスロード』での圧倒的な怪演が存在します。
劇中でヴァイは、悪魔に魂を売った孤高のギタリスト「ジャック・バトラー」役として出演。主演のラルフ・マッチオ演じる主人公と繰り広げる壮絶なギタートーナメントは、当時の音楽シーンに計り知れない衝撃を与えました。バロック音楽の要素を取り入れたパガニーニ風の超絶アルペジオや、狂気すら漂う高速タッピングは、「人間の5本の指だけで弾けるわけがない」「悪魔と契約して6本目の指を手に入れた男」というイメージを強烈に植え付ける決定打となったのです。
実際には、劇中の超絶ギターパートのほぼすべてをヴァイ自身が一人で多重録音して演奏していました。フィクションとノンフィクションの境界を軽々と飛び越えるプレイスタイルこそが、都市伝説を真実味ある神話へと押し上げた原動力でした。