朱紗丸の最期は、日輪刀で首を刎ねられることによる消滅ではありませんでした。その幕切れは、鬼の支配者である鬼舞辻無惨の「呪い」による自滅という、シリーズ屈指のショッキングな描写となっています。
矢琶羽が炭治郎に倒された後、朱紗丸は単独で珠世と対峙します。ここで珠世は、自らの血を媒介にした血鬼術「惑血 白日の魔香(わくけつ はくじつのまこう)」を使用。この術は対象の脳機能を低下させ、嘘をつくことや秘密を守ることを不可能にする自白剤のような効果を持ちます。
珠世の「あの男はただの臆病者です」という挑発に対し、朱紗丸は激昂して「無惨様はそんな男ではない!」と叫んでしまいました。鬼の体内に仕込まれた細胞は、無惨の名を口にすること(あるいは情報を漏洩すること)を絶対に許しません。名前を発した瞬間、朱紗丸の体内にある無惨の細胞が異常活性化し、巨大な腕となって体内から突き破り、彼女の肉体を握りつぶして破壊したのです。
忠誠を尽くしていた相手の呪いによって、内側から無惨に無残な形で破壊される――この凄惨な死に様は、無惨という存在がいかに部下を虫けら同然に扱っているかを読者に強烈に印象付ける契機となりました。