愛犬のメンタル異常に対処する際、最も危険なのが飼い主による自己判断です。特に「うつ病(抑うつ状態)」「分離不安症」「老犬の認知症(認知機能不全症候群:CDS)」の3者は症状が部分的に重複するため、誤った対応をとると事態を急速に悪化させます。
まずは以下のセルフチェックリストで、直近1週間の愛犬の様子を客観的に確認してください。
【犬のうつ病 早期発見チェックリスト】
□ ドアチャイムや散歩の合図など、以前興奮した刺激に全く反応しない
□ 睡眠時間が異常に長くなった、あるいは夜中に何度も起きて落ち着きがない
□ 目線が合わなくなり、声をかけても耳をピクッと動かすだけで動かない
□ 好物のトッピングをしても食事を残す、もしくは完全に拒絶する
□ 前足や脇腹を同じ場所ばかり執拗に舐めたり噛んだりしている
□ 呼んでもしっぽを振らず、姿勢を低くして部屋の隅や暗がりにこもる
※3項目以上が2週間以上続く場合は専門機関への相談が推奨されます。
これらと他疾患との違いを正確に把握するため、臨床現場の判断基準を一覧で整理しました。
特にシニア期に入った愛犬の場合、抑うつと認知機能低下が混在しやすくなります。見分けの鍵となるのは「見当識の有無」です。名前を呼んだ際に視線が泳ぎ飼い主を認識していない様子があれば認知症を疑うべきですが、飼い主の存在を認識した上で力なくため息をつき無反応を貫く場合は、精神的な抑うつが強く疑われます。