年齢を重ねれば誰しも体力の衰えや健康不安と向き合うことになる。萩本欽一自身も過去に体調不良で休養を取った経験はあるものの、現在のコンディションは驚くほど良好だ。舞台裏で車椅子に腰掛けていたとしても、スポットライトが当たった瞬間に飛び起き、誰よりも早くスタジオを走り回る。その瞬発力と頭の回転の速さは、現場の若手スタッフを今なお震え上がらせるほどである。
彼の健康を支えているのは、単なる食事管理や適度な運動ではない。「笑いを生み出し続けること」そのものが、最強の生命維持装置になっている。頭の中で常に新しい演出やボケの構図を組み立て、日常のあらゆる些細な出来事を笑いに変換する思考ルーティンは24時間止まらない。周囲の心配をよそに、本人は「歳をとったからこそできる新しいお笑いがある」と屈託なく笑い飛ばす。