結論から言えば、移籍金を受け取るのは「選手が所属していた元のクラブ(売却側クラブ)」です。選手個人が移籍金を直接受け取ることは基本的にありません。
プロサッカーをはじめとする多くのスポーツにおいて、選手とクラブは年単位の雇用(業務委託)契約を結んでいます。選手が契約期間の途中で他クラブへ移籍する場合、新クラブは現行の契約を買い取って途中で破棄させる必要があります。この「残存契約を買い取るための補償金」こそが移籍金の正体です。
移籍金と年俸の決定的な違いを整理すると、以下の構図になります。
・移籍金(Transfer Fee):獲得元クラブから放出元クラブへ支払われる「契約解除の補償金」
・年俸(Salary / Wages):新クラブから選手本人へ直接支払われる「労働・プレーの対価」
移籍金の支払先と内訳を見ると、全額が前所属クラブの純利益になるわけではありません。移籍金の総額からは、代理人への仲介手数料(エージェントフィー)、後述する育成組織への連帯貢献金、さらには前々所属クラブと結んでいた「次回売却時の一部還元条項(セルオン条項)」に応じた分配金などが差し引かれ、残りがクラブの収支に計上されます。