「バンドリの湊友希那やレヴュースタァライトの西條クロディーヌなど、圧倒的歌唱力で魅了する人気役の魅力とは何なのか」――この問いに対する答えは、キャラクターの精神構造と歌唱技法の完全なシンクロにあります。
バンドリのRoseliaを率いる湊友希那としての歌唱は、メタルやシンフォニック・ロックの重厚なサウンドを突き抜けるソリッドな高音域と、胸郭全体を響かせる太い中低音が特徴です。インタビューにおいて彼女は「友希那として歌うときは、笑顔を見せるのではなく、眼差し一つ、指先の角度一つまで彼女のストイシズムを憑依させている」と明かしています。一切の甘えを排したボーカルラインは、武道館やベルーナドームといった巨大会場でも音響の壁を軽々と超え、聴き手を圧倒してきました。
一方、レヴュースタァライトの西條クロディーヌでは、フランス語の流麗な響きとミュージカル仕込みの情熱的なメゾソプラノを響かせます。相方である天堂真矢(CV:富田麻帆)とのデュエット曲『Star Divine』や劇中レヴュー曲では、愛憎とライバル心が激しく交錯する感情の起伏を、声のグラデーションで見事に描き出しました。声優が実際に舞台に立って激しい殺陣(たて)を演じながら生歌を披露する現場において、音程の正確さと感情表現を両立させられる役者は極めて稀有です。