9月25日を中心とする秋の出生ラッシュは、偶然の産物ではありません。医学的な出産周期と、現代社会の医療体制という2つの決定的な歯車が噛み合った結果です。
真相1:妊娠期間「280日」を逆算したクリスマスの夜
医学上、人間の正常な妊娠期間は「最終月経の開始日を0日として280日(40週0日)」と定義されています。受精が起きる排卵日を基準にすると、受精から出産まではおおむね266日前後(約38週)です。
この266日という日数を、最も誕生日が多い9月25日から逆算してみると、受胎日は12月31日から1月2日前後に綺麗に重なります。少し手前の9月18日〜20日頃であれば、受胎日はまさに12月24日・25日のクリスマス前後です。
冬のホリデーシーズンは、仕事納めや長期休暇によってパートナー同士が親密に過ごす時間が増加します。寒冷な気候によって室内で過ごす時間が増えること、イベントの高揚感が重なることが、年末年始における受胎率の跳ね上がりを生み、それがきっかり40週後の9月中旬から下旬に出産ラッシュとして結実しています。
真相2:計画分娩と帝王切開がもたらす「平日の山」
もうひとつ見逃せないのが、現代の産科医療における分娩形態の変化です。日本産婦人科医会の調査資料などによると、日本の全分娩における帝王切開率は約20%前後に達しており、さらに無痛分娩を伴う「計画分娩」を選択する家庭も年々増加しています。
計画分娩や予定帝王切開は、緊急手術を除き、医師や麻酔科医、助産師の手厚い医療スタッフが揃っている平日の日中にスケジュールが組まれます。土日や祝日、夜間の分娩は可能な限り避けるのが病院運営の基本方針です。
9月下旬は、秋分の日や敬老の日といった祝日が並ぶ「シルバーウィーク」が存在します。大型連休中の手術を避け、連休明けの平日に予定手術や分娩誘発を一斉に設定した結果、平日の特定日、とりわけ9月25日前後の通常診療日に出生データが集中する構造が作られています。