国家試験や解剖学の口頭試問で最も引っかけ問題として出題されやすいのが、腸腰筋の支配神経です。「腸腰筋=大腿神経」と一括りで覚えていると、痛い失点につながります。
大腰筋を支配しているのは、腰髄から出た直後の腰神経叢の前枝(L1〜L3筋枝)です。これに対して、腸骨筋を支配しているのは、腰神経叢から形成されて筋裂孔を通る大腿神経(L2〜L4)です。
筋裂孔の内部では、外側から順に「外側大腿皮神経」「大腿神経」「腸腰筋」が並び、血管裂孔(大腿動脈・大腿静脈)とは腸恥筋膜弓によって隔てられています。この局所解剖のレイアウトは、絞扼性神経障害の病態把握や触診時のランドマークとしても極めて重要です。