当時、熱心なゆるキャラファンや須崎市民の間には、言葉に尽くせぬ混乱と悲痛な叫びが広がっていました。2018年当時、ふたりが手をつないで全国のイベントを練り歩く姿に涙したファンにとって、法廷闘争という結末はあまりにも残酷な裏切りに映ったからです。
須崎市内の商店街で長年しんじょう君のグッズを扱う関係者は、当時の重苦しい空気をこう振り返ります。
「市役所に連日激しいクレームの電話が鳴り響き、観光課の職員が疲弊していくのを見るのは本当に辛かった。しんじょう君は須崎の誇りであり、子どもたちの宝物。それが『危険な動画で炎上しているキャラ』と混同され、全国ニュースで叩かれたときの悔しさは今も忘れられません」
一方、ネット上のSNSや掲示板(5ちゃんねる、Yahoo!ニュースコメント欄)では、激しい世論の二極化が発生していました。
- 須崎市・しんじょう君擁護派:「恩を仇で返すとはこのこと」「自治体の信用を踏み台にしてバズを稼いだ企業モラルを疑う」「子どもが怪我をしたらどう責任を取るのか」
- ちぃたん☆擁護・エンタメ支持派:「動画は純粋に面白いし海外でも通用している」「単なるプロレスなのに過剰反応しすぎ」「元々コラボで盛り上がっていたのに、風向きが変わったら切り捨てるのか」
この議論の根本にあったのは、「公共性を重んじる地域文化」と「数字至上主義のネットカルチャー」の決定的な倫理観のズレでした。ちぃたん☆のアカウントが一時期Twitterから凍結されるなど、ネット社会特有の急激な上昇と急落のドラマに、ファンコミュニティは激しく翻弄されたのです。