日本家族計画協会(JFPA)や日本性科学会が実施してきた性行動調査、ならびに各種医療・製薬機関のレポートを総合すると、シニア世代の性生活における現実的な輪郭が浮かび上がってきます。「老後は完全に枯れてしまう」という世間のステレオタイプとは異なり、高齢期を迎えても親密な関係を保ち続けるカップルは確実に存在します。
調査データによると、配偶者がいる60代の性生活実施割合は約35〜40%、70代前半でも約15〜20%が定期的な営みを行っていると回答しています。頻度としては「月に1〜2回」あるいは「2〜3カ月に1回程度」がボリュームゾーンであり、現役時代のような回数を求めるのではなく、お互いの体調や気分に合わせた穏やかなペースで営まれているケースが主流です。
「何歳まで行えるのか」という問いに対して、医学的な年齢制限は存在しません。80代であっても心身が健康であれば営みを継続している夫婦は実在します。一方で、70歳を境に実施率は急降下しており、パートナーの健康状態や相互の合意が維持できるかどうかが大きな分岐点となっています。