あの日のアレッポは、政府軍と反体制派の爆撃が交錯する都市戦の渦中にあった。市民が生活を営む住宅街の路上で、山本美香氏と佐藤和孝氏は反政府勢力の支配地域を取材していた。突如として現れた迷彩服の集団。彼らが引き金を引くまでに、時間はほとんど残されていなかった。至近距離からの連続射撃。戦場の静寂を切り裂く爆音の中で、山本氏は倒れた。
現場に残されたカメラには、射撃を受ける直前までの映像が静かに記録されていた。平和な日常が突如として破壊される瞬間、現地の人々が直面している恐怖。自らの身に危険が迫るその瞬間まで、彼女はレンズを向け続けていたのだ。戦慄の銃撃戦の中で彼女が命を落としたという事実は、戦場ジャーナリズムが直面する容赦ないリアリティを物語っている。