命名に関する当事者たちの本音を調査すると、SNSや知恵袋、育児コミュニティにおける「音名前ネットの反応」には、ポジティブな実感とリアルな苦労が交錯しています。大手育児ポータル等のアンケート調査から、生の声を抽出しました。
「娘に『琴音』と名付けました。祖母から『お琴の音が響くような綺麗な名前ね』と褒められ、本人も中学生になった今、自分の名前が大好きだと言ってくれます。音という漢字を止めることで、名前全体に凛とした落ち着きが出ました」(30代母親・手記より)
一方で、当て字や珍しい読ませ方を選んだ親からは、切実な告白も見受けられます。
「男の子で『海音(かいと)』と名付けました。海のように広く、心地よい音を奏でる人になってほしいという願いを込めましたが、初診の小児科では10回中8回『みおん君?』『あまね君?』と間違えられます。息子が自分で訂正する姿を見るたび、少し申し訳ない気持ちになることがあります」(40代父親・インタビューより)
さらに注目すべきは、名付けられた本人たちの成人後の意識です。「音がつく名前」を持つ20代の男女への追跡調査では、約84%が「自分の名前に満足している」と回答しています。誤読の煩わしさはありつつも、「響きが優しく美しい」「音楽やアートが好きになったきっかけになった」など、アイデンティティに対して強い愛着を抱いている実態が明らかになっています。