色素沈着を早く治したいと焦るあまり、ネット上の断片的な情報を鵜呑みにして自己流の強いケアを重ねた結果、かえって症状を泥沼化させてしまうケースが急増しています。現場の取材で浮かび上がった最大の落とし穴が「スクラブ・過度なマッサージによる慢性摩擦」と「安易な高出力レーザー照射」です。
シミを削り落とそうと美白スクラブや洗顔ブラシで擦ると、表皮基底膜に微小な炎症が絶え間なく生じ、メラノサイトが恒常的に興奮状態に陥ります。これにより、色素沈着の上にさらに新たな色素沈着が塗り重ねられる「摩擦性黒皮症」を併発してしまうのです。
さらに警戒すべきは、レーザー治療による炎症後色素沈着の悪化です。一般的なシミ(日光性黒子)に用いるような高出力のQスイッチレーザーやピコスポットを、急性期の炎症後色素沈着や肝斑が混在する肌に照射すると、熱エネルギーそのものが強い炎症刺激となり、照射前よりも濃い色素沈着(二次性PIH)が誘発される恐れがあります。メディカルノート等の医療情報でも指摘されている通り、レーザー照射を選択する場合は、低出力で均一に照射するトーニング技術や、十分な消炎期間を置く慎重な出力設定が不可欠となります。