本作の音楽面において特筆すべきは、音楽プロデューサー・亀田誠治による繊細なオーケストレーションとアレンジの手腕です。「さくら(二〇一九)」では、ピアノやアコースティックギターを基調としつつ、ストリングスが静かに感情を高ぶらせる壮大なサウンドデザインが施されました。
さらに視聴者を驚かせたのが、「毎話ごとに主題歌の流れるタイミングとイントロのアレンジが微妙に変化する」という緻密な演出です。ある回ではピアノの優しい旋律から始まり、別の回ではサクラの心の叫びと重なるようにストリングスが強く立ち上がるなど、各話のメインとなる同期メンバーの葛藤と解決の瞬間にミリ単位で同期させた音作りが徹底されました。このこだわりが、視聴者の感情を極限まで揺さぶる「泣ける理由」となったのです。