リスクが取り沙汰される一方で、なぜ鹿の骨はこれほどまでに愛用されているのでしょうか。その最大の理由は、物理的な咀嚼による歯垢・歯石の沈着抑制効果と、高い栄養価にあります。
犬が骨を夢中で噛み砕こうと擦り付ける動作によって、歯の表面についた汚れが削ぎ落とされ、口臭予防や軽度の歯石ケアに役立つのは事実です。また、鹿の骨にはカルシウムやリンといったミネラル分に加え、関節や皮膚の健康を支えるコラーゲンが豊富に含まれています。噛む刺激そのものが脳を活性化させ、雨天時の運動不足や留守番時のストレス発散に役立つメリットも見逃せません。
ただし、骨を噛むだけで歯周病が完全に防げるわけではありません。歯と歯肉の境目(歯周ポケット)の汚れは骨では除去できないため、日常の歯ブラシ習慣の「補助」として位置づけるのが適切なスタンスです。