継国巌勝というキャラクターが作品完結から年月が経った現在も色褪せず語り継がれているのは、彼が単なる冷酷な悪役ではなく、誰よりも人間臭い弱さと業を背負った存在だからです。神に選ばれなかった者が抱くどうしようもない嫉妬、老いと死への恐怖、そしてどれほど否定しようとしても消え去らなかった肉親への愛情が、黒死牟という怪物の骨格を形作っていました。
劇場版のスクリーンで描き出されるであろう無限城の死闘と、最後のエピソード。私たちが黒死牟の散り際を見届けた後に胸に残るのは、悪への嫌悪ではなく、生涯「誰かになろうとして自分を失った」ひとりの侍に対する、痛烈なまでの追悼の念に違いありません。 (出典: つぎ くに みち かつ(Yahoo!ニュース))