『魔女の宅急便』の音楽に関しては、長年インターネット上でいくつかの誤解が語り継がれています。メディア編集部が検証した代表的な誤解と事実を整理します。
誤解1:『ルージュの伝言』の歌詞はキキの物語に合わせた書き下ろしである
前述の通り、本曲は1975年にリリースされたシングルであり、映画用の書き下ろしではありません。歌詞の内容は「浮気をした恋人への当てつけに、彼のママに会いに行く」という極めて大人の恋愛トラブルを描いたものです。純真な13歳の魔女の旅立ちにこの歌詞が当てられたのは、宮崎駿監督があえて「背伸びしたい少女の気分」を浮き彫りにするための演出手法でした。
誤解2:映画で使用された音源はオリジナル盤と全く同じである
エンディングで使用された『やさしさに包まれたなら』は、1974年のオリジナルシングル版ではなく、映画公開に合わせてリマスター・再編集されたバージョン(シングル・ヴァージョンを基盤とした音源)が使用されています。アコースティックギターの音像やボーカルのミックスバランスが映画の音響空間に最適化されており、アルバム初出音源とはアレンジが異なります。
誤解3:海外英語版でもユーミンの楽曲がそのまま使われている
ディズニーによる初期の北米吹き替え版(1998年公開版)では、オープニングおよびエンディング曲がシドニー・フォレスト(Sydney Forest)による英語オリジナル曲(『Soaring』『I'm Gonna Fly』)に差し替えられていました。2010年以降の再リリース版ではオリジナル準拠の流れを受け、ユーミンの原曲が尊重されるケースが増えています。