なぜ、これほどまでに目立つ巨像が長年にわたり手付かずのまま残されているのか。その真相の深層には、宗教法人が所有する資産という法的な特殊性が存在する。一般の民間企業であれば破産処理に伴い競売に掛けられ、更地化されるケースもあるが、宗教法人の境内地や宗教用具としての建物は非課税措置や権利保護の観点から権利関係が極めて複雑化しやすい。
過去の所有者や抵当権者、宗教法人の役員名簿の変遷を辿ると、複数の権利者が入り乱れており、売却や解体に対する全一致の意向形成が困難な状態が続いている。単に「金銭的コスト」だけの問題ではなく、法制度の隙間に陥った土地と建造物が解体を阻む最大の障壁となっていたのだ。