劇中で擬似父親的な存在である「マルモ」を演じた阿部サダヲとの共演は、幼かったふたりの演技観に決定的な影響を与えた。阿部が醸し出す独特のぬくもりと、コミカルさと切なさが同居する演技のニュアンスを、幼いふたりは皮膚感覚で吸収していったという。現場での丁寧なコミュニケーションが、彼らの役に命を吹き込む原動力となった。
心を通わせる感動的なヒューマンドラマの真髄を幼少期に身体で理解した経験は、現在の彼らの芝居にも色濃く反映されている。役に寄り添い、相手の言葉を真摯に受け止めて返す基本姿勢は、まさにあの温かな現場で育まれた宝物と言えるだろう。