ネット上の情報空間には、天白磐座遺跡に関して幾つかの事実誤認や過剰な言説が散見されます。訪問前に知っておくべき代表的な誤解を3点整理します。
第一の誤解は、「誰でも巨石の上に登って記念撮影ができる」という風潮です。SNS上には巨石によじ登ってポーズをとる写真が稀に見受けられますが、これは文化財保護および信仰の観点から厳に慎むべき行為です。天白磐座遺跡の岩石群は、古代人が神を迎え入れた神聖な依代(よりしろ)であり、数千年にわたり祈りが捧げられてきた祭場です。岩肌には苔が生え、滑落事故の危険があるだけでなく、貴重な遺跡環境を傷つける要因となります。
第二の誤解は、「現地に行けば出土品が展示されている」という思い込みです。山頂の遺跡群には巨石と解説板があるのみで、発掘された勾玉や須恵器、和同開珎などの実物は現地には置かれていません。これらの貴重な出土品は、浜松市内の公的施設(浜松市地域遺産センターなど)に収蔵・保管されています。実物の考古資料を見学したい場合は、事前に周辺の展示施設の展示スケジュールを確認することが賢明です。
第三の誤解は、立地に関する情報です。2024年1月1日に実施された浜松市の行政区再編に伴い、かつての「引佐町(北区)」は「浜名区引佐町」へと変更されています。旧カーナビや古いガイドマップでは旧区名のまま記載されている場合があるため、最新の住所設定で目的地を登録する必要があります。