法的根拠となるのは、不法行為に基づく損害賠償請求権(民法709条)である。故意または過失によって他人の権利や利益を侵害した場合に損害賠償責任が発生するが、ここでは「誰が」責任を負うのかが重大な争点となる。
本人が死亡している場合、損害賠償責任は本人の財産上の負債となり、相続人に引き継がれる。しかし、最高裁判所裁判官が関与した過去の主要判例においても、家族であるという理由だけで他人の不法行為責任を代わりに負わせる法制度は存在しない。例えば、家族が本人の自殺行動を具体的に予見し、物理的に防止できた特別な事情(介護・監督義務違反など)がない限り、遺族個人の固有責任が問われることはない。