よしこさんがスナックAで働き始めたきっかけは、生活費を工面するための切実な求職活動でした。しかし、採用を決めたママは、よしこさんの人柄にすぐさま魅了されたといいます。ママはのちのテレビ取材で、「とにかく素直で、誰に対しても分け隔てなく誠実だった。よしこが入ってから店が本当に明るくなった」と当時の印象を語っています。
よしこさん自身、スナックで働くうちに特定のお客様に淡い恋心を抱いた甘酸っぱいエピソードも存在します。カウンターによく訪れるダンディな常連客に対し、密かに胸を高鳴らせていたよしこさん。しかし、ある日の会話の中でその男性に家庭があることを知り、芸人としての夢と現実の狭間で静かに失恋の涙を流したという人間味あふれる思い出も残されています。
夢を諦めそうになった夜には、ママがよしこさんの手を握り、「あんたは絶対に売れるから、自分を信じなさい」と励まし続けたといいます。売れない芸人であることを卑下することなく、一人の娘のように温かく見守ってくれたママの存在があったからこそ、よしこさんはどんなに生活が苦しくても舞台に立ち続けることができました。