戸郷翔征の評価が高まるにつれ、球界周辺で常に囁かれ続けているのが「メジャーリーグ(MLB)挑戦の可能性」です。その火種が本格的に大きくなった契機は、2023年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でした。決勝の地アメリカで、MLBの看板打者であるマイク・トラウトらから三振を奪う圧巻のリリーフを見せたことで、現地メディアやスカウト陣の視線は一変しました。
アメリカの現地スカウトによるレポートでは、戸郷の投球フォームにおける「変則的かつ力強い腕の振り(スリークォーター気味のアングル)」と「打者の手元で消えるスプリット」が高く評価されています。MLBでは投手の球種においてチェンジアップやスプリットの有効性が年々高まっており、戸郷の持ち球はメジャーの強打者相手でも十分に空振りを奪えるクオリティであると分析されています。
しかし、噂されるポスティングシステムを利用した早期移籍の実現性については、球団の伝統的な方針が横たわっています。読売ジャイアンツは歴史的に、生え抜き選手のポスティング移籍に対して慎重な姿勢を崩しておらず、「チームへの十分な貢献と国内での完全優勝」が絶対条件とされてきました。海外FA権の取得時期を見据えつつ、本人の強い意志と球団側のチーム編成戦略がどのように折り合いをつけるのか、日米の球界関係者がその動向を注視しています。