表面的には静穏な住宅地に見えますが、日々の生活を維持するためのオペレーションには行政の綿密な手当てが施されています。その象徴が「ゴミ収集」です。
西大泉町1179番地のゴミ集積場には、練馬区指定の収集曜日が記されたプレートが設置されています。収集日になると、練馬区の清掃車(練馬清掃事務所)が東京都本土から埼玉県新座市の市道を数百メートル走り抜け、この飛び地のためだけに進入して作業を行います。隣接する新座市片山の集積所とは収集日も分別方式も異なるため、数メートル離れた場所で別々の自治体の作業員がゴミを回収する光景が日常茶飯事となっています。
教育環境も例外ではありません。公立小学校の通学区域において、西大泉町1179番地は練馬区立大泉第四小学校、中学校は練馬区立大泉西中学校の学区に指定されています。物理的な距離だけで見れば、新座市立片山小学校のほうが半分以下の近さ(約500メートル)にあります。しかし、住民の子どもたちは練馬区民として、県境を越えて本土の大泉第四小学校まで約1.2キロメートルの道のりを通学しています。関係者によると、かつて越境通学の議論もあったものの、多くの保護者は「東京都の教育環境」を求めて大泉の学校を選択してきた経緯があります。
救急や火災通報(119番)の際も、携帯電話のGPS測位や基地局の位置によって埼玉県側の通信指令室に着信することがあります。そのため、新座側と東京消防庁との間では、西大泉町1179番地からの通報に対して相互に迅速転送・連携出動する協定が古くから結ばれています。