無失点記録の議論で外すことができないのが、阪神タイガースの守護神として球史に名を刻んだ藤川球児の存在だ。彼の代名詞であった「火の玉ストレート」は、打者が分かっていても空振りを奪う異次元の伸びを見せ、38試合連続無失点という圧巻の数字を打ち立てた。
一発出れば同点、あるいは逆転という極限状態の終盤に登場する救援投手は、まさに「魔のマウンド」を踏む職人たちである。敗戦処理とは異なり、勝ちパターンで投げるセットアッパーやクローザーは、わずかな制球の乱れも許されない。藤川が示してみせた圧倒的な威圧感とマウンドでの佇まいは、現代のブルペン陣にとっても永遠のバイブルとして受け継がれている。