倉本聰が手掛ける物語において、竹下景子は単なる出演者の一人にとどまらない。人間の弱さや醜さ、そして愛おしさを余すところなく描き出す倉本ワールドの中で、彼女の持つ透明感と芯の強さは特別なコントラストを生み出していた。
日本のテレビドラマ界が急激な変化を遂げていく中で、『北の国から』が提示した「便利さと引き換えに失った人間の尊厳や絆」というテーマは、時代が下るほどにその価値を増している。都会から地方への移住、家族の崩壊と再生、そして人生の挫折。そのすべての要素を包含した本作において、竹下景子演じる雪子の葛藤は、視聴者にとっても自らの生き方を問い直す重要な契機となっていたのである。