数々の難事件を解決に導いてきた元警視庁捜査一課長は、本件が直面したハードルについて次のように指摘する。「時効の廃止以降、未解決事案に対する追跡の手は緩んでいない。しかし、刑事司法の現場では『疑わしきは被告人の利益に』という厳格な原則のもと、証拠の完全性が問われる」
法的な壁を乗り越えるための突破口となったのが、DNA型鑑定の飛躍的な進化だ。かつては特定不可能とされた微量の微小サンプルから、新たな遺伝子情報が抽出された。刑事司法が求める法医学的立証のハードルをクリアするため、捜査チームは一歩一歩、核心へと近づいている。