大手弁当チェーンの強みが「全国どこでも均一な品質」だとすれば、この老舗ブランドの強みは真逆にある。看板こそ共通しているものの、実は店舗によってメニュー構成も味付けも、さらには添えられる小鉢の惣菜に至るまで驚くほどバラバラだ。
「本部のマニュアル通りにロボットみたいに作るんじゃない。うちの客は現場仕事の職人さんが多いから、少し濃いめの味付けにしてタレを多めにしているんだよ」。そう語る店主の表情には、長年地域に根を張ってきた職人の自負が滲む。この「ゆるやかな連帯」と各店主の裁量の大きさこそが、激変する市場を生き抜いてきた最大の武器だ。