しかし、2000年代に入ると出版業界全体を襲ったデジタル化の波と、インターネットによる情報即時性の普及が映画雑誌の立ち位置を一変させた。2008年、『ロードショー』は多くのファンに惜しまれつつ休刊を発表。紙の雑誌としての一つの時代が静かに幕を閉じた。
そして現在、映画を取り巻く環境は大きく変容した。Netflixをはじめとする動画配信サービスの隆盛により、映画は劇場だけでなくリビングやスマートフォンで即座に楽しむコンテンツとなった。情報の速度も速まり、SNSでリアルタイムに海外のスクープ記事が流れてくる。だが、そうした時代だからこそ、かつての誌面が提供していた「偏愛に満ちた緻密な編集」や「手元に残る紙の温もり」の価値が、今あらためて問い直されている。