SPトローチを巡っては、使用方法や薬効に対する誤解も根強く存在します。最も多い誤認の一つが「SPトローチは風邪ウイルスを直接退治する特効薬である」という思い込みです。
デカリニウム塩化物はあくまで細菌や真菌に対する殺菌消毒成分であり、インフルエンザウイルスやアデノウイルスなどのウイルスそのものを死滅させる作用はありません。トローチの役割は、ウイルス感染によって炎症を起こし、防御機能が低下した粘膜で細菌が二次感染を起こすのを防ぐことにあります。したがって、高熱が続いている場合や激しい痛みが引かない場合にトローチだけに頼るのは危険です。
さらに、意外と知られていないのが「服用後の飲食制限」です。トローチをなめ終わった直後に冷たいお茶や水を一気に飲んでしまうと、喉の粘膜に付着した有効成分がすべて胃へと洗い流されてしまいます。薬効を患部に留めるためには、服用後少なくとも30分間は飲食を控えるのが薬理学的な鉄則です。