近年増えている主演・準主演級での起用において、彼が示すのは単なるアクターとしての才能にとどまらない。共演者の芝居を受け止め、作品全体のトーンを安定させる「受けの美学」である。自分が前に出るべき瞬間と、引きに回るべき瞬間の嗅覚が恐ろしいほど鋭い。
現場スタッフからの信頼が極めて高いことも、映画関係者の間では有名な話だ。役に対する深いリサーチと監督との密なディスカッションを経て現場に立つスタイルは、共演者にも好影響を与えている。作品のスケール感に呑まれることなく、物語の感情的な軸としてどっしりと鎮座する強靭さは、彼が着実に培ってきた現場力そのものと言える。