自宅で肛門腺絞りを行う際は、力任せに押すのではなく、解剖学的な位置関係を正しく把握することが最優先です。分泌液は非常に強い異臭を放つため、シャンプー時のお風呂場で行うか、厚手のティッシュペーパーやウェットティッシュを肛門にかぶせて作業するのが鉄則です。
最も重要なのは、指を配置する角度と力のかけ方です。以下の手順に沿って落ち着いて進めてください。
- しっぽを持ち上げて肛門を露出させる:愛犬の後ろに立ち、利き手とは逆の手でしっぽの根元を優しく真上に持ち上げます。これにより肛門周辺の皮膚が適度に張り、嚢の位置が確認しやすくなります。
- 「4時と8時」のポジションを確認する:肛門を中心とした時計の文字盤に見立てた場合、「4時」と「8時」の方向に肛門嚢が位置しています。指先で軽く触れると、溜まっている場合は小豆から大豆大のコリッとした膨らみを感じ取ることができます。
- 下から上、奥から手前へ押し出す:親指と人差し指で4時と8時の膨らみを外側から挟み込み、皮膚をつまむのではなく、「肛門の奥にある袋をすくい上げて出口へ導く」イメージで優しく圧力を加えます。
- 飛び散りに注意しながら拭き取る:ティッシュ越しにゆっくりと圧をかけると、液状、ペースト状、あるいは泥状の分泌液が排出されます。絞り終えたら皮膚トラブルを防ぐため、ぬるま湯や低刺激のウェットシートで綺麗に清拭します。
愛犬が激しく痛がる主な原因は、「爪を立てて皮膚をつまんでいる」「袋の位置より上を押している」「すでに内部で炎症が起きている」の3点です。指の腹を密着させ、ソフトな力加減で行うことが成功への最短ルートとなります。