多くのファンが直面する最大の壁が、各興行主催者が定めるコンサート規定です。ネット上では「100均のペンライトというだけで門前払いされた」という噂が独り歩きしていますが、取材を進めると、運営側が制限をかける明確な技術的・保安的理由が浮き彫りになりました。
持ち込み制限に抵触する要因の第一は、電源仕様(ボタン電池LR44)に関する規定です。女性アイドルグループや坂道シリーズ、STARTO ENTERTAINMENT、ハロー!プロジェクト、2.5次元舞台などの公式レギュレーションには、「単3または単4アルカリ乾電池仕様のみ可、ボタン電池仕様は禁止」あるいはその逆など、使用バッテリーを厳格に指定するケースが多々存在します。100均の110円〜330円モデルの多くは小型軽量化とコスト削減のためボタン電池LR44を3〜4個使用する設計となっており、この指定から外れてしまう現場が少なくありません。
第二の要因は、過度な光量や発光形態に対する規制です。過去に改造チアライトや超高輝度ケミカルライト(大閃光など)による演者の視界妨害や観客同士のトラブルが多発した経緯から、主催者は「全長25cm以下」「光量制限」を厳格化しました。100均ライト自体は超高輝度ではありませんが、外装のチープさや遮光性の低さから光漏れが生じ、手元検査の段階で係員から詳細な確認を求められたり、安全基準を満たしていないと判断されたりする事例が報告されています。
そして2026年の興行界において決定的なのが、無線コントロールペンライト(演出連動型ライト)の一般化です。会場全体のペンライトをDMX信号などで中央制御し、客席をひとつの巨大な光のディスプレイとして演出するステージ設計が主流となりました。これに伴い、「本公演では演出の都合上、指定の公式ペンライト以外は点灯禁止」と明記される公演が急増しています。ネットの反応を見ても、「せっかく100均で揃えたのに、入場後に公式以外禁止のアナウンスを聞いて鞄にしまった」「周りが一斉に暗転する場面で自分だけ光ってしまい居たたまれなかった」といった現場の生々しい声が寄せられています。