ほどなくお別れです結末の真相と涙の理由|続編・評判を徹底解剖

ほどなくお別れです結末の真相と涙の理由|続編・評判を徹底解剖

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長月天音による小説『ほどなく、お別れです』の物語は、大学4年生の清水美空(しみず みそら)が就職活動に全敗し、途方に暮れる場面から幕を開けます。幼少期に経験したある事故をきっかけに、美空には「亡くなった人の姿が見える」「遺品や場所に残された強い感情の残滓を受け取ってしまう」という特異な感受性が備わっていました。周囲から異端視されることを恐れ、その能力をひた隠しにして生きてきた彼女は、ひょんな縁から葬儀専門会社「坂東会館」でアルバイトとして働くことになります。

そこで美空の指導役となったのが、葬祭ディレクターの漆原(うるしばら)です。漆原は端正な容姿を持ちながらも感情を表に出さず、業務を淡々と完璧にこなすリアリストに見えます。しかしその内実は、遺族の悲嘆に誰よりも深く寄り添い、形式的な儀式に終わらせないための細やかな観察眼とプロフェッショナリズムを秘めた人物でした。

坂東会館に持ち込まれる案件は、どれも一筋縄ではいきません。突然の事故で急逝した若者、確執を抱えたまま離別した親子、周囲に本心を隠したまま逝った高齢者など、遺された人々は後悔と自責の念に苛まれています。美空は自身の超感覚的な気付きを恐る恐る口にし、漆原はその情報をもとに「遺族が最も納得できる見送りのかたち」をプロとして設計していきます。凸凹なふたりがバディとなり、死者が最後に遺した無言のメッセージを遺族に届けていく過程は、ミステリーのような謎解きの手触りと、魂を揺さぶるヒューマンドラマの引力を兼ね備えています。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。